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自由大学オープンキャンパス
2011年最初の自由大学オープンキャンパスは、
日本で最初の現代美術画廊である東京画廊の山本豊津さんをお招きして、
「キュレーションとは何か?」をお聞きしました。
自由大学でも、講義を産み育てる人のことを
「キュレーター」と呼んでいますが、
そもそも「キュレーター」は、美術界の言葉で、
展覧会を企画立案し、実現していくまでの全体を導く人のこと。
「キュレーター」のはじまりを知った上で、あらためて
自由大学で新しい講義をつくりだす意味を考えてみようという試みでした。


自由大学オープンキャンパス
【セッションメモ】
・「キュレーター」とは、そもそも美術界の言葉。美術の世界ではどのように捉えられているのか?
・キュレーターの始まりは博物館から。集めた「モノ」としての情報を収集・整理して価値を見出した。
・近代にはいって生まれた美術館は、国としての表現を表す場所。ナショナリズムと美術館は密接な関係がある。
・自国の文化を表現するために、美術に力をいれるのは国家戦略。例えば、フランスの絵画とラグジュアリーブランドの関係。
・1970年以降は、自国だけでなく世界中の才能を集めるようになった。そのために生まれたのがアートセンター。
・美術品を収集するためには、その国の文化を理解しないとできない作業。他者を受け入れるというのがキュレーションの第一歩。
・博物館→美術館→アートセンター、という美術界の発展には大きな流れがあるが、
日本は敗戦国となったため「国家戦略としての美術」という視点が欠けてしまった。
・国を背負ったメインカルチャーとしての美術がなかったため、
アニメや漫画などのサブカルチャーが日本を代表する文化として紹介される逆転現象が起こっている。
・キュレーターは、展覧会を開催するための費用を自分の足で集める。
・協賛者を集めるマネジメント力もキュレーターに必須の能力。
・キュレーターは、情報の収集を自ら行うことによって、独自の価値理論を生み出す。
・フランスの絵画しかり、アメリカの映画しかり、文化の力を使って経済をコントロールできれば、強い影響力を発揮できる。
・一度拡散したものが再び原点に戻る流れが同時多発的に起こっている。
広告の世界では、青山・六本木界隈から再び銀座に人が集まり始めているとか。
・自分が何をしたいか、という確固たる信念をもっていないとキュレーションはできない。
・では自分の軸を持つにはどうしたらいいか。それには多くの物を見て、
多くの人の話を聴くことが必要。判断軸を自分の中につくる。
・資産価値としての、美術品と不動産の違い。
・ユニークな視点や発想を身につけるには、他人のユニークさに学べばいい。読書会を通して、人間の裏表を観察できる。
・山本豊津さんの最近のお気に入りは「ベルセルク」と「GANTZ」!
・横山大観の線は、近代の線。「GANTZ」の描く線は現代の線。
線に注目すれば、横山大観と「GANTZ」が並ぶ展覧会も開くことができる。
・建築よりもグラフィックデザインを志望する美大生が増えている。身体動かすことを避ける傾向?
・これまでのモノづくりは「素材→技術→コンセプト」。
・これからはそれが逆転する。コンセプト不在のモノづくりは受け入れられなくなる。
・デザインとアートの違い。デザインは発注を受けてからつくる。アートは発注者が自分自身。
・山本さんがアーティストを選ぶ基準は「後ろに戻れない人」。頭のいい人はアーティストに向かない。
・山本さんおすすめの一冊は木村敏さんの「時間と自己
【UST中継も行いました。アーカイブはこちらから】
(1)USTアーカイブ「キュレーターの始まりは博物館から。
(2)USTアーカイブ「横山大観とGANTZが並ぶとき。
(3)USTアーカイブ「ディズニーランドより面白いものを。
自由大学オープンキャンパス
レクチャープランニングコンテストには4組が参加。
・太田広さんの「温浴施設専門経営コンサルタントになる」。
→ 太田さんは本職の温浴施設専門経営コンサルタント。
サウナ王の異名も持ってるとか!>http://www.rakurakuhd.co.jp/
・SUGEE(スギ)さんの「旅学」。
→ SUGEE(@artheelab )さんは、プロのミュージシャン。
沖縄、東南アジア、中南米、キューバ、西アフリカ等、世界を旅した経験を存分に活かした講義になりそうです。
・波房克典さんの「ソーシャル・ムーブメントの仕立て方」。
→ 日本ロマンチスト協会の会長を務める波房さん。
社会のワクワクをデザインする協会あそびは、モチベーションアップのためのひとつの方法ですね。
日本ロマンチスト協会のサイトはこちら>http://japan-romance.com/
・小田勝久さんの「やさしいWEBサイトの作り方~Ruby on Rails で学ぶ、本当に動くウェブサイト~」。
→ 様々な大手サイトでも使われているWeb開発フレームワーク、Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)を基礎から学ぼうという講義。
プレゼンの内容は4種4様。どれもバラエティに飛んだ内容でした!
で、気になるベストプランニング賞は、
波房さんの「ソーシャル・ムーブメントの仕立て方」。
どの講義もこれから講義開講に向けて、準備を進めますのでお楽しみに!


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