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第10回「First Wednesday」レポート(11月2日開催)

毎月第一水曜日開催 ワンテーマを探る誰でもウェルカムなイベント

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背広姿のサラリーマン、おとなたちの中でちょっぴりそわそわしてる大学生、シーンとはりつめた空気…かと思えば、「おひさしぶりー!!」と明るく突き抜ける声、そして開始間際にどやどやとなだれ込む人・人・ヒト。

いつも以上にカオスな雰囲気があふれる水平教室ですが、おなじみクリエイティブチームの面々が登壇すると、ぐっと空気が足元におちつきます。

11月のFirst Wedenesdayテーマは『自由大学のヒミツ教えちゃうナイト』。

出力モード100%の岡島学長トークからはじまり、「そもそも自由大学って何?」「どんな人が集まるの?」、「講義がまわる仕組みって?」といった素朴なハテナへ、クリエイティブチームの言葉が飛び交います。参加者リアクションも大きめな今夜は一段と熱い夜になりそうです。

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【自分のコンパスを創ること・生き方の軸を掘り下げること】

「近代合理主義をかかげる社会の中で、非効率の中からアイデアが産まれるんじゃないか」

「内側に何かあるのかという軸を探す」

自由大学の學びを表す言葉には「軸」や「産」という言葉が幾度となく現れます。

スポンサーの無いバックグラウンドからは、純粋に「学びたい」「知りたい」という好奇心の塊から講義が産まれ、もちろんそれらの切り口の豊かさ、バラエティの豊富さも魅力のひとつですが、講義最大の魅力であり特徴であるのは、一生学び続けたり、そのコミュニティを醸成するおもしろさではないかと感じます。

クリエイティブチーム、キュレーター陣、教授陣、受講生それぞれがフラットな立場と視点で、講義テーマを語り、創り、咀嚼していく。あらかじめセットされた一つのゴールだったり、受験のように一つの点数の壁を超える、という点から講義の様をとらえると、それはあまりに「非効率」なスタイルです。が、効率性が通用しないからこそ、思考も資格も体も感情もフル回転しながらあらゆるスタイルでテーマを刈り取っていく、あらゆる実験を繰り返すという動きが発生します。

いつどんな問いが問われ、どんな意見の発信があり、どんな解釈が自分のなかで産まれるかわからない状況をひたすらに繰り返す事は、自然と「自分のコンパス」や「判断軸」を明確なものにしていきます。それはどんな未開の地をも着実に踏みしめる大きな力になり、さらにその未開の地で新しい「問題提起」を行うことで、次の新しい世界への路を広げることへもつながるのだろうなと、そんなノンストップの上昇スパイラルで講義も人の思考もずっと研磨されるからこそ、「なんだか気になる」講義が産まれ続けるのだろうと、自由大学の根本的な魅力がフッと見えたような気がしました。

自由大学卒業生の動きが気になるのは、そして「気になる」卒業生を産みだし続ける自由大学が気になるのは、そんな「非効率LOVE」な學びを本能的に求めているからなのかもしれません。

 

【學びの場をキュレーションすること】

「キュレーターは受講生から産まれる學びの主導者。ありあらゆる事象を横串につなぎあわせて価値を提供する人。」

「クリエイティブチームはさらに自由大学という學びのコミュニティを育てる人」

コミュニティの広げ方や、そこがどう講義の創造につながるか。何が好奇心をそこまで駆り立てるのか、様々な質問が飛び交いましたが、「キュレーターとクリエイティブチームの違いは?」という問いへの返しは、全ての回答に通ずるものを感じました。

事務的なことも含めて「どう運営するか」といった視点よりも、根本を突き止めると、日常のあらゆる事象やあらゆるmomentに疑問や問題提起を行う、自由大学自身の「學びを止めない意志」がキーとなっているように思います。

そうしたプロセスを通って講義がオープンになると、やってくる人もさまざま。もちろん集まる人は選べません。自分の想定外な人たちとの交流も待っているし、予定調和のとりにくい状況も起こります。

だからこそ主体性を以てかかわったときに、思ってもみない発見があったりする。あらゆる違いや疑問点、テーマを横串につなげていくキュレーターと、さまざまな背景を持っているとはいえ、自由大学から発信された言葉にピンと来た人にはどこか根っこの共通点があって、根本をわかりあいつつも、お互いの違いや、予定調和の無い講義展開をも楽しんでしまうのだろうなと感じました。延々と生み出されるキュレーターの場づくりの妙。それは既にこの表参道の地に、「學びの文化」として根を伸ばし続けているような、そんな活き活きとしたイメージがわきあがります。

東京のこの地とは違ったアプローチが必要なのかもしれないけど、現在進行形で伸び続ける「一生學ぶ」ことの豊かさと力強さをもっと日本中に広められたら、人生の選択肢がもっと広がって一人ひとりが自然に笑顔で過ごす時間ももっともっと長くなるんじゃないかと、会場参加者とクリエイティブチームのセッションを目の当たりにして、ふと視点が遠くまで歩いてしまいました。

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会が終わっても、恒例のトークタイム。仕事帰りの会社員、同じ構想を抱く未来の仲間、そして今から社会へ飛び込もうとしている大学生、普段は想定しない出会いであっても、クリエイティブチームの心から楽しそうに語るWedenesday nightの後は、決して特別ではない風景として心に残ったはずです。そのままの期待感で気持ちは来月の水曜夜へ。

 

次回のFirst Wedenesdayは「大学生ナイト」。今回遊びに来てくれていた、社会に出る一歩手前の学生が、働くことやこれから飛び込む世界に対しての想いをぶつける夜です。社会人としての自分の歩みをふりかえる、そんなひと時も産まれそうです。

次回もまた、一味もふた味も違う予定調和の無い夜が楽しめそう。またまたビールやコーヒー、おいしい食事を片手に水平教室に集まりましょう。ご参加お待ちしています!

(写真・文 MIYAKO)



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