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第5回「First Wednesday」レポート(6月1日開催)

毎月第一水曜日開催 ワンテーマを探る誰でもウェルカムなイベント

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梅雨時期には似つかわしくない、木枯らしのような風が吹きすさぶ6月の夜。今回のFirst Wednesdayは『神社ナイト』です。尾道自由大学校長で「神社学」教授の中村真さんの歌うような伸びやかなトークから始まり、明らかに定員オーバーな水平教室からは、好奇心の熱や光が放たれていました。

八百万、ルーツ、日本人、祭、神仏習合、登拝、神社はメディア

目移りするようなキーワードが不思議と一本の文脈としてつながっていきます。

【神社という場が発する情報】

「古い神社の祭神ってどんどん変わるんです」との驚きのコメント。人が集まって集落ができてはじめて祀る神様も生まれる。となると、祀られる神様の形はその時々に集まった人々の特性や土地を統治した人物の思考を如実に反映するもの。歴史の流れで祀られる神はそのコミュニティの均衡を保つために表面上の顔を変えていく。

征夷大将軍が何故東北のあらゆる神社で祀られているのか?左遷された菅原道真公を祀る大宰府天満宮は何故に学問の神としてあがめるのか?祀られた神や土地の関連性を紐解くと、矛盾が見えてくる。

なんで?という探求心で神社の成り立ちを眺めることは土地や人の歴史に踏み入れること。密やかに祀られる土着の神様、祀られた人物の歩んだ人生、一歩自分を神社に近づけることで点在する情報を拾って理解を深めることができる、まさに情報の泉、メディアとして膨大な要素をもつのが神社であることを頭に入れると、目に見える景色を「なんだか素敵だね」と感じるだけでなく、先人の思考や生活を垣間見るという味わい方もできます。

といろいろ思いつつ、神社の表の顔や祀る神をどんどんアップデートしていく様からは、おおらかにたくさんの違いや異質なものを受け入れる先人たちの温かい気質を感じずにいられません。

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【人は自然そのものということ】

自然と息することを実践し、心臓を動かす人間は自然の恵みそのものでしかない、いう言葉も印象に残りました。故に人は自らの環境に対して感謝し称える心を無意識に備えているのであろうと、納得の言葉。だから山に神秘性を感じて参拝するし、雷を見ては神様の降臨を感じるし、コンビニよりも多くのお社を作って守り続けてしまう。目に見えない何かを大事にあがめ信仰する心を持つ日本に住まう人々がなんだかいとおしく見えてきます。

自然の恵みをあがめ、恐れ、それでも祈りをやめない。そんな生活と祈りとが密接に社会に根付いた先人の記憶と祈りの集大成が今の私たちであることを思うと、こうしてFirst Wednesdayに集い、同じ空間で神社ナイトを過ごすことそのものも奇跡的に思えてありがたいなぁという気持ちになれました。(もちろんおいしいビールやコーヒー片手に楽しめることもありがたい)

寒空の表参道をよそに、自由大学の水平教室だけが緩やかながらも暑い空気で充満し、ちょっとした異次元空間のようでした。濃い学びの時間はあっという間、続きは「神社学」にて。

来月もきっと参加者を異次元の思考にいざなってくれるFirst Wednesday。次回のテーマは「Portland」。平日夜に緩やかに集まり、熱く思考を研ぎ澄ます水曜夜のひととき。どなたでもご参加Welcomeです、またお会いしましょう。

<神社学は12月7日(水)までお申し込み受け付け中。お申し込みはこちらから

 

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(テキスト:Miyako 写真:Miyako)



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