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毎月恒例のフリユニクラブは、IID世田谷ものつくり学校を飛び出して青山にある国連大学内の特設会場で行われました。誰でも新しい学びのジャンルを提案できるレクチャープランニングコンテストは、4名の方がエントリーしてくれました。本レポートはキュレーション学(中級)を卒業した岡島悦代さんがまとめてくださいました。
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No1:視せるチカラービジュアルコミニュケーションー[望月生吾さん]
緊張のトップバッター!と思いきや、落ち着き放ったオーラを醸し出していた望月さん。それもそのはず、望月さんは20年以上に渡りタカラ(現:タカラトミー)でおもちゃの企画をされていたキャリアの持ち主です。


企画内容は、プレゼン資料に説得力を持たせるために魅せるチカラをアップ!させようというものです。おもちゃは楽しさを伝える商品。おもちゃで遊んでいる写真を見せるのが、一番楽しさを伝えられる方法。しかし、企画を通す段階で、つくりたい物の商品化はされていないし、感情を数値に置き換えるのも難しい。そこで、望月さんが仕事で培った、頭の中にあるメッセージを相手に伝える術を受講生に伝授しよう、というものです。
人の情報は83%が視覚から入るというデータもあり、何かを表現したい欲求がある人や、プレゼン資料作成のスキルを高めたい方に響きそうです。
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No2:城下町を攻める[山根大地さん]
今回のレクプラの開催日はハロウィンに近かったこともあり、山根さんはおばけかぼちゃのカツラを被って登場してくれました。世の中に歴史好きは多いけれど、今住んでいる土地だって幾千の時が刻まれているんだ!という事を思い起こさせてくれる企画です。
東京を例に挙げると、約400年前は江戸城を中心とした城下町でした。町にはそれぞれ機能があり、その特徴を表した名前を付けたのです。世が平和の時は政治経済の中心地に、戦のときは城下町全体で城を守るように設計したといわれています。現在の都市計画でも長い歴史の中で培われた英知を引き継ぐ事が多いようです。
現在と過去のフィルタを重ね、城下町を攻める、守るという新しい視点で街の歴史を再発見し、戦のロールプレイまで考えているそうです。「歴史の華は戦だ!」とオレンジ色の髪を振り乱しながら熱く語る山根さん。そのパフォーマンスで聴衆の心をわしづかみにしていました。
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No3:美食学–魚編– [佐々木一成さん]
「せっかく一度きりの人生。どうせなら美味しいものを食べて死にたい」これが美食学を提案する佐々木さんの願いです。
佐々木さんが美食に目覚めたのは、キュレーション学(初級)の教授である山本豊津さんと受講メンバー達で、銀座の”竹葉亭”でウナギを食べた時のこと。今までそれほどウナギが美味しいと思わなかった佐々木さんですが、山本教授から「なぜ土用の丑の日にウナギを食べるのか」という背景を聞きながら食事をしたら、美味しさが倍増し、贅沢な時間を過ごせたのだそうです。銀座の”粋”を体験したことが、食に特化した自分のこだわりを追求する講義を誕生させたいという思いに繋がったのですね。
美食学–魚編–としたのは、米、肉、野菜などの展開も考えてのこと。素材へのこだわり、旬を知る、地場を知る、美しい食べ方、最後は料亭で粋な食事会を開催する、という内容です。魚への知識を深め、魚を綺麗に食べる箸裁きで人を魅了できるようになるかもしれません。
N0.4:数字でコミニュケーション[中川斉さん] 
中川さんは広告・マーケティング業界でデータ分析をするエキスパート。近年はネット広告の需要が増し、広告の影響力を数値化できることから、数字の読み方や使い方を指導してほしい、という依頼を受けることが非常に増えたとそうです。
“数字を取るためのアンケート質問”や、”業績が伸びているように見せるグラフ”など事例を挙げて説明して下さり、数字のマジックに聴衆は目からウロコでした。欧米では、文化背景が異なる人たちが社会を構成している事が多いため、直接的で解りやすい数字を使ったコミュニケーションが以前から活発でした。日本も欧米に近い文化背景に変化してきたので、数字を読む・使うというのはこれからの時代の基礎スキルになると中川さんは提唱しています。
誰かに説明をする事が仕事の人、説得したいのに相手に気持ちよくYESと言って欲しい人などがターゲットです。データマイニングや数字を使った説明をするためのロジカルシンキング法など少し専門的な知識を学びながら楽しく数字に対する苦手意識を変えて行けそうな企画内容でした。
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そして、栄えあるレクチャープランニング優勝者は、エントリーN0.4:数字でコミニュケーションの中川斉さんでした。
和泉学長から中川さんに金メダルが授与され、聴衆から意見や感想が書かれた用紙が読み上げられました。司会の新小田さんからは、エントリーNo.1の望月さんとコラボレーションしたら面白いのではないか?という意見もあり、今後の展開にも注目です。
毎月新しい講義アイデアが続々と登場するレクチャープランニングプランニングコンテスト。次回のレクプラは、11/26(土)自由大学祭の中でのスペシャルバージョンとして開催。
新しい講義アイデアを温めている方は、自由大学ホームページ「創りたい」からエントリーシートをお送りください。



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