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2011年12月23日(祝)に行われたフリユニクラブ。
自由大学広報チームの鈴木さんがレポートしてくれました。


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2012年の自由大学の注目企画「学び放題フリユニ年間パスポート」の紹介からはじまった12月のフリユニクラブ。
受講生の「この講義が終わったら、次に受けたい講義がたくさんある。パスポートのようなものがあるといいのに!」という声から実現した話題のパスポートです。「自由大学で1年間一緒に学んで、今のこの世界を突破していくような、自由大学の模範生のようなモデルを作っていきたい。」という思いもあるそうで、資格やスキルの力ではなく、『学び』の力で世界を突破する新しいモデルというのは自由大学ならでは。来年の今ごろは、このパスポートを利用した人にどんな変化が起きているのか楽しみですね。
続いて、毎月恒例の自由大学の新講義を自由に創ることを目的とした講義企画コンテスト「レクチャープランニングコンテスト」。今回は2名の方がのエントリーしてくださいました。


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トップバッターは大内征さんによる「東北支援学」。
今年、自由大学での大きなプロジェクトのひとつだったキャンプin仙台。現在は復興クラブとして活動しており、そのリーダーを務めるのが仙台出身の大内さん。「自分の被災地支援プロジェクト」を形にすることを軸に、支援の在り方、プロジェクトの始め方をその発起人に学ぶという講義を提案してくださいました。
この講義を企画した背景には、震災の風化と、社会起業やマイプロジェクトへの関心の高まりが実感としてあるからだそう。岩手・宮城・福島の3県で、4~5月は15万人いたボランティアも、10月には5万人、12月は7,600人まで推移。連休の有無や季節が関係しているにしても、その数字の減少は顕著です。そんな中で、何か自分も支援がしたいけれど出来ていない人、経済支援や通常のボランティアではない「自分の被災地支援プロジェクト」を形にしたい人が集まってくることをイメージした東北支援学。この講義を通じて、他の地域への支援や活性化、イベントやフェスなど、プロジェクト全般の始め方や継続へ派生できることも面白いところ。
来場者からのフィードバックの中で「ハウツーよりも先に、支援自体がどうあるべきか考える時間も必要なのでは?」「直接的な支援でなくても、忘れないための動きなど他の視点も加えてほしい」「また地震はどこで起きるか分からないし、他もボランティアが必要な所はたくさんある。そこにも使えて探れる講義がいい。」「支援だけでなく、仕事をつくることに興味がある人も参加できるといい。」など積極的に意見交換がされました。
「この講義の存在自体が風化に抗う形のひとつにもなる」と語る大内さん。未来のビジョンがうやむやなまま、ただ復旧が進んでいると感じる今日この頃。復旧ではなく、本当の意味での復興とは?これからのボランティアの形とは?そういった本質を語り合える仲間を見つけ、一歩踏み出す、そんな場が想像できるプレゼンでした。
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続いては、中吉智子さんによる「作家養成講座」。
中吉さんは書籍の編集者を15年経験し独立。その中で担当した書籍は、なんと250冊。自由大学の講義「出版道場」のゲストとして参加された際に、出版業界を一歩出たところに、また違う熱気とニーズを感じ、今回の講義を企画するに至ったそうです。
本は後世に残したいものを語り継ぐ為に生まれた最古のメディア。テクニカルな部分はもちろん必要だが、出版というものの原点に立ち返りたい。新しい声を持った人を育て、ここからメッセージを発信したい。」と中吉さん。
人間誰しもオリジナリティを持っていて、それをいかにアウトプットするか。伝えるハウツーでなく、本当に伝えたいテーマは何かを掘り下げ、引き出すワークを行い、出版社へ持ち込めるようなプロフィールと企画書の作成をゴールとした講義を提案していただきました。
現在、自由大学には2つの出版系の講義(「自分の本をつくる方法」「出版道場」)がありますが、それらとの違いをどのように見せて行けばいいか、という話の中で、今まで人ありきよりもテーマありきで企画を進めていたこと、今必要とされるメッセージは何なのか、時代の流れをよむこと、など得意であると中吉さん自身も気付きがあり、どんどん引き出されていく姿を目の前でみれたことが、ライブ感があり非常に興味深かったです。
ベストセラーに必要な要素は3つあって、それは「意外性」、「普遍性」、「共感性。社会的な要請のあるメッセージで、より多くの人にとって普遍性のあるものがベストセラーには欠かせないそうです。書き手の思いだけなく客観的な視点で、時代に合った切り口でアウトプットしていく。社会が激変していく過程にある今、出版業界でも不況が叫ばれていますが、中吉さん自身は不況を考えたことがあまり無いそうで「それでも売れている本はある。だからチャンスもある」という力強いコメントが印象に残りました。
出版系の講義が増え、自由大学のメンバーから次々と著者が生まれる、そんな状況が生まれる日も近いかもしれません。
非常に濃い内容のプレゼンに接戦が繰り広げられたなか、ベストプランニング賞を獲得したプレゼンターは「東北支援学」の大内さん。おめでとうございます!大内さん、中吉さんのどちらの企画も講義化されるのが楽しみです。
第2部は「CHRISTMAS BOOK EXCHANGE☆ my best 2011」。
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クリスマスが近いこともあり、今年影響を受け、人におすすめしたい本の交換会を行いました。本の持参率100%という数字に、みなさんが参加を楽しみにしていたことがうかがえ、うれしい限り。それを迎える運営スタッフ側も、手作りのオリジナルしおりと自由大学のスタンプを用意しているという素敵なおもてなしに心が暖まりました。そのしおりに自分の名前と、本を受け取る人へ向けてのメッセージを添え、本に挟んで準備完了。
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全員で輪になり、持って来た本とのエピソードを紹介していきます。
絵本、ビジネス書、レシピ本、写真集…、などなど、集まった本は本当に個性豊かなラインナップ。本棚の奥底から見つけてきた本、いつも傍らに置き大切にしていた本、手放せないから今日のためにもう1冊買ってきた本など、愛情のこもった本に対するコメントは、どれも一度読んでみたい!と思わせられるようなものばかりでした。

全員の発表が終わったところで交換タイム。
隣の人へ送っていって音楽のストップした時に手元にきたものを受け取るという昔懐かしいプレゼント交換スタイル。思うように本の受け渡しが出来ず、若干の混乱が起きましたが、ドキドキの中やってきた本は「自分では絶対に買わない!」という本が手元に来た方も多く、思わぬ新しいジャンルとの出逢いになったようです。
今、書評はネットで検索すればいくらでも見ることが出来ます。しかし、本当に心から良いと思ったものを直接受け取ったり、渡したりする機会は少ないように思います。今回のこの盛り上がりに、そういった場が求められているのかな、と感じました。
第3部は、お酒を飲みながら語り合う「解放ナイト」。
BOOK EXCHANGEで交換した本の持ち主と会話をしたり、今年を振り返ったり。また運営スタッフのバースデーサプライズがあったりと、笑顔の絶えない時間でした。どうやら何人かは、解放ナイト後に、つけ麺屋さんに場所を移していたようで、解散が名残惜しいくらいの素敵なメンバーと時間を共有できた、2011年最後のフリユニクラブにふさわしい1日となりました。
今年は、またここからどんな新しい講義や時代の流れが生まれるのか、そして新たにどんな人が加わってくるのか、非常に楽しみです。フリユニクラブは毎月第4土曜に開催。次回のご参加を楽しみにしています。


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