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オープンキャンパス第一部
3月のオープンキャンパスは、3月11日の東日本大震災を受けて急遽予定を変更し、緊急企画として3部構成で開催いたしました。会場となった教室は、支援のあり方を模索している人や、「自分に何ができるのか」と問いかけをしている人など、意識の高い人たちで満席。緊張感と熱気に溢れる空間でした。


まず第1部は「僕らは、この新しい日常を、どう旅するか」というテーマによるトークセッション。
4月8日開講予定の「旅学」教授SUGEEさんと学長の黒崎が、旅、自由、日本、そして震災によって変化した意識や生き方などについて、トークを交わしました。

■旅と旅行の違い
「何かの目的、興味に向かって、まっしぐらに突き進むかどうかが旅と旅行の違いでは」とSUGEEさん。
SUGEEさんは大学で文化人類学を専攻。各地の文化や芸能、特に音楽に惹かれてアジア、インド、パキスタン、メキシコ、アメリカ南部、キューバ、西アフリカ、東アフリカなどを回られてきました。その旅の中で、「自分がその場まで動いて行くくことでしか得られない情報、知識がある」ことを知った、とのこと。
ネットでどんな情報でも得られるようについ思ってしまう昨今ですが、やはり自分がその身をもって体験しなければ得られないものがあるんですよね。それを求めて目指すのが、ただの旅行ではない「旅」なのだ、というお話でした。
■旅先から見た日本
SUGEEさんの「旅に出て日本を外から眺めることで、日本の文化がとても客観的に見えてくる」という言葉を受けて、黒崎も「旅から帰ると、日本が違って見えてくる」と返答。
そして「自分たちは『日本に住んでる』と思ってるけど、実は住んでるんじゃなくて、たまたま日本に長い滞在をしているだけで、日本にいるのも旅の途中なんじゃないか、『仮の庵』に住んでるだけじゃないか、という意識もある」と。こういう意識が「旅をするように生きる」ということなのかもしれません。「別にガッツリとマンションを買うだけが幸せじゃない(笑)」には会場一同納得の笑みが。
■変わる世界観、死生観
SUGEEさんはインドにも長く滞在されてましたが、日本との違いを感じるのは死生観、とのこと。日本がどこか生と死がタブー視されているのに対して、インドでは生と死が混在している、と。
日本もこの大震災を受けて、死生観や世界観が変わっていくかもしれない。特に震災前は、人間は自然をコントロールすることしか考えていなかったが、そんなことできないことがわかったはず。世界の他の国々と同じように、自然や環境と調和した生活を目指すべき、と。黒崎も、だからこそいま外から日本を見るべきで、旅をするべきだ、と力説していました。
最後にSUGEEさんの力強い演奏が披露されて、第一部が終了しました。
SUGEEさん


【講義データ】
旅学
[日程]4/8(金)、4/15(金)、4/20(水)、5/6(金)、5/13(金) (全5回)
[会場]世田谷ものづくり学校内
[受講料]28,000円
[教授]SUGEE(スギ)



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