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サポーターの鈴木麻里子です。6/25(土)に行われた「フリユニクラブ」のレポートをお届けします。
毎月第4土曜日に開催されているコミュニティサロン「フリユニクラブ」。
6月のテーマは「自由大学@仙台若林キャンパス 公開企画会議」でした。
6/20に地鎮祭が行われ、これから本格的に始動し始める自由大学若林キャンパス。

まず始めに、自由大学 学長2011の和泉さん、ディレクターの深井次郎さん、一般社団法人「HeartQuake」代表の北島輝一さんより、若林キャンパスの拠点となる仙台BASE CAMPの今の様子や地鎮祭の報告。スライドショーから見て取れるその雰囲気は、秘密基地のよう。
(詳しいレポートはこちらの記事でもご覧頂けますので、ぜひチェックしてみてください。)


続いて、来てくださったみなさんからも、今の被災地の状況をシェアをしていただきました。

「仕事がないということ。そのため、時間をもてあましている方もいるということ。」
「”瓦礫”という呼び方に抵抗を感じるということ。」
「変わらない田舎の風景にホッとしていたのに、今では訪れるたびに変化がないと不安になるということ。」
出身地が被災された方・ボランティアに参加された方、それぞれのフィルターを通して見て、感じて得てきた情報は、心に響き、毎日毎日テレビを通して観るより、被災地を近くに感じることが出来ました。
また、「週末に参加できるボランティア窓口が欲しい。」「実際にこんな活動をしている、こんな活動がしたい」など、被災地ではない場所に暮らす人が求めているニーズも飛び出しました。
ここから、本題の企画会議に突入。
自由大学@若林キャンパスでは、一体どんな講義をしたらいいのか、どんな学びが必要か、チームに分かれて発表をしていただきました。

同じ志や興味のもとに集まった者同士、積極的に意見が交わされ、会場は熱気に包まれました(というか節電のため本当に暑かった)。短い時間でしたが、たくさんのアイデアが出ました。
瓦礫アート。ヘドロ学。伝統芸能を学ぶ。
イベントや講義をすることでその地域に雇用を生む。
発電を学んでやってみる。何かやりたい人の活動の場、育てる場にする。

次々出てくるアイデアを、学長の和泉里佳さんが必死にホワイトボードにメモ。
どのように被災地とそうでない場所にいる人を結びつけたらいいのか、そのヒントがたくさん詰まったものになりました。

そしてひとつ、自由大学の講義「カーボン自転車をつくる」の教授、西さんからソーラーで温室をつくろうというプランを共有していただきました。被災地に太陽光を利用した温室をつくり、そこでアサリの稚貝を育てたり、農作物を育てよう、というもの。支援とかそういうものを抜きにしても面白い取り組みだなぁと、聞いていてワクワクしてきます。
戦後、焼け野原から立ち上がり、発展を遂げてきた日本。今また、価値観がガラリと変わる転換期に私たちはいます。

「仙台若林の何もない荒涼とした大地を目の前に、どう生きるか、何が出来るか、どんな仕事が生まれるかと考えることほどインスピレーションが必要なことはない、
そのことほど今の社会で叡智が必要なことはない」
、と黒崎さん
実際に現場へ行き、体を動かすことは最大の支援のひとつですが、なかなか時間などの関係でかなわない方もいます。現地へ行って何をしていいか分からない方、役に立てるか自信のがなく一歩が踏み出せない方もいるでしょう。
しかし、自由大学には若林キャンパスという場が用意されていますし、今日のように東京でブレーンとしての役割で参加することもできます。自由大学に関わること、ここを通してひとつの地区に愛着を持ち、思いをはせ続けること。これも立派な支援なのではないかと、いろいろな可能性を感じることができました。
これから実際にプロジェクトが動きはじめます。情報はメルマガやこのブログを通して随時発信していきますので、ご注目ください。

第2部は「レクチャープランニングコンテスト」。
今回は出場者は5組の方が出場してくださいました。

まず1組目は、「スタイル発見学」の教授でもある志村奈菜さん、双葉さんによる「スタイル発見学/カラー編・私の色学」
ただ自分に似合う色を知るだけでなく、自分を表現し伝えるツールとしてカラーを味方にする、今様々なアウトプットの方法が用意されている中で、色もその一つとして使おう、というもの。
カラーで人生がかわるような実体験をされたお二人から発せられた「色を味方にして欲しい」というメッセージは、説得力があり、とても温かい雰囲気の講義のイメージがふくらみました。

2組目は和田優子さんの「お能の入口」
日本人であれば、誰もが存在は知っていながら、なかなか接点がないお能。
和田さんご自身もお能を習っているそうなのですが、「お能を習うって何?」という声を多く聞くということで、その分かりやすい入り口になる講義をつくりたい、という思いからのエントリー。お能には実際に見えないものを想像するという珍しい芸能。
お能だけではなく、伝統芸能と入り口を広げてみてはどうか、など意見が交わされました。日本人であるアイデンティティーの確立する要素のひとつとして、単純に自分が楽しむため、伝統芸能はぜひ学んでみたいものですね。

3組目は大内征さんによる「クリエイターではないあなたがクリエイティブな仕事に関わるときに大切な5つのコトガラ」
こんなものを作りたい、世の中に発信したい、と思ってもそれを実際に形にするクリエイティブなスキルがなければ、それはアイデアだけで頓挫してしまいます。
しかし、何も自分でつくらなくても、つくれる人と一緒にやればいいじゃないか。つくれない自分を活かし、つくる人も最大限に活かしてあげるには、どうしたらいいのか、その方法が大変わかりやすく体系立てられていました。つくれない自分を活かすという発想は、またひとつ自分を自由にしてくれる新しい発想だな、と感じました。

4組目は千葉順さんの「大人のためのキャリアデザイン」
不況とは言うものの、世界でも有数の先進国である日本。
にも関わらず、キャリアに悩んだり鬱になる人に減少の兆しはありません。
この4月から大学ではキャリア教育が義務化されましたが、「実は本当にキャリア教育が必要なのは実際に社会にでている私たち大人なのでは?本来あるべき姿へ一歩を踏み出せるような講義をつくりたい」とアツく語ってくださった千葉さん。会社の研修とは違うキャリアデザインを、才能を発掘してリクルーティングをゴールにしてみてはどうか、など自由大学だからこそ出来る働き方が生まれる講義に期待が寄せられました。

5組目は春日智さんの「佐渡学」
高齢化社会が進む日本、その縮図が「島」だと言われています。
春日さんの出身地である佐渡島は、実はジアス(GIAHS:世界重要農業資産システム)に登録された島。エコでローカリゼーションな新しい地域のモデルと認められた島なのだそうです。
その佐渡島について学ぶということは、未来のあるべき姿を学ぶということ。
そして、故郷の佐渡島をたくさんの人にファンになってほしい、と佐渡に対する愛情が伝わってくるプレゼン。日本のこれからを、みなが手探りで答えを探している今にぴったりフィットしたタイムリーな内容だと思いました。
今回のベストプランニング賞は、エントリーNo.5 春日さんの「佐渡学」。
春日さん、おめでとうございます!
レクプラで産声をあげた講義の原石が、磨かれ、講義化されHPにアップされるのは、毎回感慨深いものです。ぜひみなさんも講義化される日を楽しみにしていてくださいね。
さて、第3部は「解放ナイト」。
軽いおつまみとお酒をかわしつつ、ほろ酔い気分で語り合いました。
学校の放課後のあのまったりとした空気に似た雰囲気の中、まるで旧友のようにふざけた話からまじめな話まで、話題が尽きませんでした。とてもポジティブな復興支援の案や、「離婚学やりたい!」など(来月のレクプラお待ちしてます!)終始盛り上がりました。
最後には、みなさんTwitterやFACEBOOKのアカウントを交換し、これから永いご縁が始まりそうな予感。
「今日は来て良かったー!」という声。第1部や2部に参加して刺激も持って帰ってもらいたいですが、せっかく毎月、同じ興味や感覚を持った人が集まる場を用意していますので、新たな縁の生まれる場所になったらいいな、と心から思っているのです。
今日はそれが目の前で実現し、スタッフ一同心の中でニンマリ。
「素敵な時間だったね。」と帰り道、酔っぱらいのスタッフを一人抱えつつ、下校していったのでした。
次回のフリユニクラブは、7月23日(土曜)。レクプラ出場者も募集しています。ぜひぜひ遊びにきてください。
フリユニクラブの様子は、Ustreamでもごらんいただけますので、そちらもチェックしてみてください。



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