7月はIIDで行う最後のフリユニクラブ。
IIDでの最後の開催ということで、多くの卒業生が集まり、校舎との別れを惜しんでいました。
梅雨もあけ、いつの間にか夏本番。毎日寝苦しい暑さが続きますね。今回は、そんな暑さをふき飛ばすような、夏にぴったりの思わずゾクっとするような怪談話お伺いしました。
怪談話の語り手は、「ファンタスティック古事記」「ワールド宗教学」でもおなじみ、教授の小出一冨さん、聞き手は「ランニングライフをはじめる」の キュレーターの大野佳祐さんです。
はじめに、小出一冨さんと大野佳祐さんから自由大学での講義の紹介を行い、飛び入りで、参加してくださった「遊墨民になる」の教授日置恵さん、「新盆栽学」の教授塩津丈洋さんからも講義の紹介をしていただきました。
それでは、いよいよ小出さんの怪談話の始まりです。
まずは、出会った女性が幽霊だったのか、という余韻を残す小出さんの体験談でゾクっとしたところで、実はこれは作り話ですとカミングアウト。
先ほどの怪談話は今昔物語に出てくる話を現代版に即興でアレンジしたものだったのです。
ここからわかるのは、
日本人の怖いと思う感覚は平安時代から全く変化していないということです。
例えば、日本人の思い描く足の無い幽霊像は、江戸時代に書かれた絵が始まりだったりと、
私たちは知らず知らずのうちに文化を継承しているということがわかります。
また、アメリカと日本では、怖いと思う感覚が全く異なり、
アメリカでは、ゾンビなど怪物的な存在や迫力のあるものを恐怖と感じ、
日本では、髪や爪など肉体の一部にかかわるものや見えないものに恐怖を感じるようです。
ぞわぞわじわじわと訪れる恐怖が日本の怪談話の特徴と言われており、世界各国の人とホラー映画を見ても、感覚の違いが顕著に現れて面白そう。
怪談話ひとつにしても、文化的背景、歴史的背景、宗教的背景がきちんとあり、恐怖と感じるものは、無意識のうちに勝手に世界観が作られていたということがわかります。
そんな蘊蓄をはさみながらの小出さんの怪談トークで涼しくなった所で、
後半は、毎月恒例のレクチャープランニングコンテストです。
書類選考の結果、今月は「伝わる動画学」の家子史穂さん、「都会と田舎の未来学」の信岡良亮さんの2名がエントリー。
まずは、「伝わる動画学」の家入史織さん。
動画で人と繋がり、発信するスキルを身につけよう!と動画を始めたい人の一歩を踏み出すきっかけを作り、iphoneで簡単に作れる動画スキルを紹介する初級編と、更にスキルを磨きたい人向けのMacbook を使った動画学を紹介する中級編を提案。
スキルを身につけるだけでなく、ネット動画ならではの面白さやポイントをふまえ、最後に皆で作った動画をシェアするのがポイント。動画スキルを身につけることで、イベントやプロモーション、旅先や結婚式など様々な場面で動画をシェアでき、活動の選択肢や視野も広がりそうです。
家入さんの、これからは、英語よりも動画!という言葉がとても印象的でした。
続いて、「都会と田舎の未来学」の信岡良亮さん。
信岡良亮さんは、6年間の隠岐の島海士町での田舎暮らしの経験をもとに、少子高齢化や人口減少社会など、今日本が抱えている問題をきちんと見つめ話し合おう、という講義を提案。
漠然と今後の日本社会に不安を持っている方も多いはず。しかし、毎日の仕事に追われつい目を背けがちな問題でもあります。そんな問題をこの講義をきっかけに話し合い、様々な立場の人とチームを組んでワークショップをしたり、都会と田舎それぞれの視点から解決策考えたりと、田舎暮らしの実体験を強みにしたかなり深みのある講義になりそうです。
投票の結果、今回のベストプランニング賞は「伝わる動画学」の家入史織さんに決定!
より実践的な講義の「伝わる動画学」に対し、ディスカッションを中心に行う「都会と田舎の未来学」。それぞれタイプの違う講義でしたが、どちらも時代を反映していて興味のある人は多いのではないかと思われます。これらの企画がどんな形で講義化されるかとても楽しみです。
このように、毎月行われているレクチャープランニングコンテスト。
誰でも、自分の強みを活かした自由になれる学びを企画し、講義化できるチャンスがあります。
もちろん参加は自由。あなたも新しい講義が誕生する瞬間に出会えるかもしれません。
次回は、8月30日にみどり荘での開催です。
そして、次回のフリユニクラブは、8月4日~15日に開催されるCreative Camp in Portlandに参加したメンバーからポートランドでの学びや発見を伺うことができます。ポートランドに興味のある人も、自由大学の卒業生も、初めましての方も自由に参加できます。
メインキャンパスのIIDを卒業し、新しく生まれ変わる自由大学を皆で盛り上げていきましょう。
text:自由大学フェローぽろり