はじめまして、青木光太郎と申します。米国コネチカット州の「 ウェズリアン大学 Wesleyan University」 というリベラルアーツ大学を2016年に卒業した、 日本生まれ日本育ちの日本人です。小中高と日本で過ごし、 2012年から4年間をアメリカで過ごしました。本コラムでは「 リベラルアーツ教育」の紹介を交えながら、「 大きな視点で物事を考えていく必要性」 についてお話したいと思います。
さて、今の時代に「大きな視点で物事を考えていく必要性」 と言うと「 人間を超えた量と速度で情報を扱う機械への適応は必須である」 というメッセージのように聞こえます。 インターネットと人々の生活が密接し、 ビックデータや人工知能などの情報技術が注目を集めるなか、「 情報技術の活用=大きな視点」 というイメージが一般に広まりつつあります。 一人の人間が見て考えられる範囲は限られているため、 集合の知を利用して、 ミスと漏れのない理解を機械が作り出すーー説得力のある見方では あるものの、疑う余地がありそうです。
そもそも「大きな視点」 の先に私たちが求めているものは何なのでしょう? 交友関係からビジネスまで、文脈は様々ですが、私たちが「 大きな視点」から求めるものは「意味」ではないでしょうか。 つまり、膨大な情報の中から、 行動指針を得るためのパターンを探しているのです。 統計学的手法や情報技術が手元にあれば確かに便利です。 漁船がレーダーをつけて魚の群れを見つけるように、 直観や経験では捉えきれない行動指針が得られます。しかし、 重要な点は、 人生は往々にして私たちに全く新しい課題を突きつけ、 その分析のための必要な情報も手元にない状況がほとんどだという ことです。また、漁船の例とは異なり、 自分自身が何を探しているのかすらわからない状況も珍しくありま せん。このような状況で、どのように私たちは「意味」 を求めればいいでしょう?
ここでリベラルアーツ教育の出番となります。 アメリカで発展してきたリベラルアーツ教育は、未知の「世界」 を把握し、「意味」を創造する術を学生に教えます。ここでの「 世界」とは、学問やビジネスの各分野における物事の繋がり方、 つまり、どのように物や人間が関係しているかの構造を指します。 有機化学とダンスの「世界」 では人間の身体の理解が全く異なるように、 世界全体は複数の異なる「世界」 が集まることで成りたっています。 リベラルアーツ教育では学生が複数の学問分野を同時に学ぶことで 、未知の「世界」から情報と「意味」 を得るための習慣を身につけていきます。また、 異なる専門を持った学生が共に学ぶため、 学生同士の交わりも未知の「世界」です。このような環境で、 交友関係から学問、またはビジネスにまで応用できる、 未知の状況への対処力を学生は学びます。
つまり、「意味」を見いだすための「 大きな視点で物事を考えていく必要性」 には2つの側面があります。一方に情報技術の活用があり、 他方には異なる「世界」から情報を得るための術があります。 情報技術は役立つ道具ではありますが、 未知の状況から情報を得て、「意味」を創り出す習慣がなければ「 大きな視点」には至りません。 後者の習得には長い年月が必要ですが、 そのための手段がリベラルアーツ教育なのです。

「Changing The World: Where And How To Start?」デモ講義開催
【開催日時】2017年10月28日(土)13:00 – 15:00
【開催場所】自由大学水平教室(東京都港区南青山3−13)
【開催場所】自由大学水平教室(東京都港区南青山3−13)
【参加料金】1,000円(当日現金にてお支払い下さい)
【イベントページ】https://www.facebook.com/events/489573848074728
※質問、相談は次のメールアドレスまでお願いします:ko.ao.2164@gmail.com
※質問、相談は次のメールアドレスまでお願いします:ko.ao.2164@gmail.com
【詳細】
「私たちの世界は今までにない速度で変化している」というメディアや専門家の意見があふれる今日、個々人の理解や制御を超えて動く世界に、恐れや不安の空気が蔓延しています。実際、グローバル化、遺伝子工学、人工知能、気候変動や所得格差など、合意や熟考なく、日々変化していく世界に私たちは生きています。この現状に私たちはどう向き合うべきなのでしょう?また、何をどこからはじめればいいのでしょう?この講座では「近代とは何か?」を主題に、現代が持つ課題を理解、批評、そして未来を再び想像しようとします。産業革命と共にはじまった資本主義の時代を近代と定義して、今日の世界に起きている様々な変化と、私たち個人の日常生活とのつながりを理解することを目指します。アメリカのリベラルアーツ大学での授業をモデルにして、テキストや動画の解釈にもとづいた、議論がベースとなります。専門用語にまみれた議論ではなく、日常の体験に焦点を置いた学びを通して、現代の状況への理解を深めるのに加え、どのように煩雑な今日の世界を生きていくかを共に学んでいく講義です。
「私たちの世界は今までにない速度で変化している」というメディアや専門家の意見があふれる今日、個々人の理解や制御を超えて動く世界に、恐れや不安の空気が蔓延しています。実際、グローバル化、遺伝子工学、人工知能、気候変動や所得格差など、合意や熟考なく、日々変化していく世界に私たちは生きています。この現状に私たちはどう向き合うべきなのでしょう?また、何をどこからはじめればいいのでしょう?この講座では「近代とは何か?」を主題に、現代が持つ課題を理解、批評、そして未来を再び想像しようとします。産業革命と共にはじまった資本主義の時代を近代と定義して、今日の世界に起きている様々な変化と、私たち個人の日常生活とのつながりを理解することを目指します。アメリカのリベラルアーツ大学での授業をモデルにして、テキストや動画の解釈にもとづいた、議論がベースとなります。専門用語にまみれた議論ではなく、日常の体験に焦点を置いた学びを通して、現代の状況への理解を深めるのに加え、どのように煩雑な今日の世界を生きていくかを共に学んでいく講義です。
次のような参加者を求めています:
1.問題意識を共有する仲間を求める人
2.議論や思考を求めている人
3.変化に冷笑的でありながら、今日の世界に不満足な人
4.大学が懐かしく、知的な会話を求めている人
この授業は英語で行われます。講師はアメリカで教育を受けた日本人とアメリカ人です。必要なのは英語の能力と、オープンマインドで自分の意見や感想を共有する心の準備だけです。
こちらは第76回レクチャープランニングコンテストに出