講義情報

おいしい盛り付け学

おいしい盛り付け学

感性+理論でたべるシーンをデザインしよう

個性を磨く学部-circle個性を磨く学部
おいしい盛り付け学

講義について

おいしい盛り付け学

「おいしい」と感じるの8割は視覚から、食の選択肢を広げる盛り付け

私たちが感じる「おいしい!」とは、その人の心理状態や過去の経験、環境などさまざまな要因があると言われています。味そのものを示す言葉ではなく、五感やそ複合的な状況が満足に達した時に、人は「おいしい!」と表現するのです。また、私たちが取り入れる情報の8割は視覚からだとも言われています。例えば、手作りの料理だけでなく、買ってきたお惣菜もひと手間加えてお皿に盛り付けると違った雰囲気で味わうことができます。自分にとって誰かにとって、食べ方やシーンに応じて、色や配置を工夫した盛り付けをすることで、食の選択肢が広がり食べる量だけでなく笑顔の量も変わっていきます。食を通じた身体的な健康だけでなく、視覚とおいしさの関係を学びながら、あなたにとっての「おいしい盛り付け」を探求してみましょう。

 

おいしい盛り付け学

 

感性と理論でつくる盛り付けデザイン

「盛り付けデザイン」とは、料理の盛り付け+デザインを組み合わせた造語です。キャンバスに絵を描いたり、イメージを造形するように、お皿の上で食材や料理を設計しながら盛り付けます。この講義では、デザインの基礎や色彩など、色の合わせ方、食材の切り方や置きかたなどのあしらいなど、その手法をお皿の上で体現してゆきます。自分が何をもって美しい、心地よいと思うのか?を学び、そこに感性をプラスして、自分ならではの「おいしい盛り付け」をつくることがこの講義のゴールです。色彩や構図を中心に、グラフィックデザインからの理論をお皿の上に当てはめてみることで、これまでと違った世界が見えてくることでしょう。

 

日常の食卓をおいしくするのが、デザインの力

例えば、日本の会席料理の盛り付けは、春には桜の花びら、秋にはもみじの葉が飾られ器にこだわって季節を表現します。お椀の蓋の裏側には蓋を開けた時のことを考えた美しい蒔絵があり、食べる前から心躍らせる演出があります。そんなプロの盛り付けに対し、この講義で目指す盛り付けは日常の食卓でつくる「おいしい盛り付け」です。

お金も時間もかけられない中で、手持ちのお皿やカトラリーの合わせ方を変えたり、ワンポイントで何かを足してみたり、食材の切り方や見せ方を変えることで、イメージはガラリと変わります。同じメニューで気分を変えたい時、時間がなくお惣菜で簡単に済ませたい時など、盛り付けデザインはいつでもどこでもはじめることができます。同じ食材、同じお皿に盛り付けても人によって並べ方や見せ方が全く違うように、デザインは十人十色です。こうあるべきという「盛り付け」の固定概念を覆すことで、新しい発見が必ずあるはずです。さぁ一緒に、日常の食卓をデザインの力でもっとおいしく広げてみませんか?

おいしい盛り付け学

講義中(永田町みどり荘)の様子

 

おいしい盛り付け学

最終講義中(飯野教授宅)での盛り付けデザインレクチャー


教授、飯野登起子さんより

もともと、私は魅せることへの興味から美大、グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートし、その後は紙の上からお皿の上にフィールドを広げていきました。Instagramでは日々新しい盛り付けデザインを発信し、盛り付けを通じて日本各地で食のプロデュースなどをお手伝いさせていただいています。私の盛り付けデザインの特徴は、食材の素材はもちろん器や食卓全体を「見せる」ではなく「魅せる」こと。スタイリングから撮影まで自分でこなすことで、よりこだわりの世界観を表現できるのでとっても楽しいのです。デザインの基本をおさえながらも、さらにあなたらしい食卓を演出する方法を一緒に探究しましょう。

(第21期募集開始日:2023年9月18日)

こんな方が対象です

・盛り付けデザインを実践的に学びたい方
ワンパターンな盛り付けから見た目をガラリと変えたい方

・毎日の食や旬の季節の食材をもっと楽しみたい方

・視覚と美味しさの関係を探求したい方

・新たな視点で自信が持てる盛り付けをつくりたい

卒業者の声

・お皿の中と外(盛り付け含めた食材とクロスやカトラリー)のバランスを考えるようになりました。 また、これまでは食べるための盛り付けしか考えたことがありませんでしたが、少し日常の食事とは別の魅せるための盛り付けにも興味がでました。

・受講を始めてから、お店の料理や雑誌などのディスプレイを見て、自然と自分ならどうするか?を考えるようになりました。自分の簡単な料理でも盛り付けの工夫次第で雰囲気が変わることを実感できて楽しいです。これからも世界が広がりそうで、受講して良かったと思っています。

「TRANSITION対談」専業お母さんから、新しい職業「盛り付けデザイナー」になるには? 飯野登起子(おいしい盛り付け学教授)


講義計画

第1回

盛り付けデザインとは?

食時間を有意義に過ごすために必要な「視覚」(盛り付けや見た目)について学びます。「美味しいものは 体に良い」というのは理にかなっていて、五感が刺激され食べ物を体の中に迎え入れる環境が整い、栄養素が効率よく吸収され生理的欲求が満たされた結果、おいしいものが体によくなるのです。そのため五感の中の「視覚」を上手く利用しながら、見た目に美しい盛り付けデザインを楽しむことは、食事時間を有意義に過ごすことに繋がります。 

◆自己紹介
◆視覚の重要性
◆盛り付けデザインとは何か
◆食体験のワーク

第2回

盛り付け+デザイン 色彩篇

盛り付けに必要な色彩と構図や余白の基礎知識を学びます。食材の色、お皿の色、テーブルクロスの色、すべての「色」にまつわる様々なパターンの組み合わせです。その見え方は、私たちをどんな気分にさせ、どんな変化があるのでしょう。補色や暖色系と寒色系、同量の食材でも置き方の違いでイメージも変わります。お皿の空間比率が盛り付けデザインの鍵になるのです。

◆色彩の基礎
◆補色・同系色で魅せる盛り付け
◆色の持つイメージと心理効果
◆皿の色と形の効果
◆均等配置/シンメトリー/余白で魅せる盛り付け

第3回

盛り付け+デザイン 造形篇

同じお皿で同じ食材を準備して、盛り付けデザインの体験制作を行います。ひとりずつ制作したプレートへのフィードバックを行うことで、立体的な盛り付けを学ぶだけでなく、自分の盛り付けの良い点や課題を分析します。また最後にスマートフォンの簡単な撮影ノウハウを学びます。

◆立体的な盛り付けワーク
 食材の「切り方」や高さを出す、視点をつくる、など、盛り付けの中でも立体的な作り方を紹介します。ひとりづつ同分量の素材を準備します。カットしても、ちぎっても、並べても、重ねてもOK。

◆盛り付けの撮影
光を意識した食材の撮影方法について学びます。普段何気なく撮影している盛り付けもポイントを押さえるとより魅せる盛り付けになります。

第4回

盛り付け+デザインのまとめ

事前課題(必須):食材を使った盛り付け(器は自由)2カットの写真提出(全体+魅せ方ポイント)

前回まで学んだ色彩と構図から自分自身で旬を感じる、パッと華やぐ、盛り付けデザインのアイデアについて考えます。「誰に対して、どんな盛り付けを提供するのか」と言った観点から盛り付けに対してのフィードバックも行っていきます。皆さん一人一人のこれまでの食にまつわるエピソードや盛り付けへのストーリーを伺いしながら「わくわくするような食を楽しむ」「盛り付けのレパートリーが広がる」マインドセットへシフトさせていきます。

第5回

おいしい盛り付けをつくろう

これまでの講義を参考に、あなたにとっての「おいしい盛り付け」を制作していきます。最終講義では、ご自身でコンセプト立案から設計デザイン、盛り付けと発表プレゼンまでをしていきます。制作したデザインの何をどう変えるとさらに「おいしい!」盛り付けに近づくのか、飯野教授のご自宅で、多種多様な器やクロス、カトラリーでのガラリと変化する盛り付け感覚を実際に体感しましょう。講義を通じてあなたの盛り付けデザインセンスはどう変化するのでしょう。

※自主制作するにあたり、食材等は各自ご持参となります。
 手作りごはんでも買ってきたお惣菜でもOKです。

飯野登起子

教授

飯野登起子

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有山百恵

キュレーター

有山百恵

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スケジュール

講義名
おいしい盛り付け学
日程

第1回:11月18日(土)13:00-15:00

第2回:11月25日(土)13:00-15:00

第3回:12月3日(日)13:00-15:00

第4回:12月10日(日)13:00-15:00

第5回:12月17日(日)13:00-15:00

定員
10名 ※定員になり次第締切 ※開講決定しました。募集期間延長中です。
申込締切日
11月16日(木)
授業料
36,000円(税込39,600円)
キャンパス

永田町みどり荘キャンパス(GRID5階)

【住所】
東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID 5F

【アクセス】
半蔵門線・南北線・有楽町線 「永田町駅」
4番、9番b出口より徒歩2分

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第5回のみ飯野教授邸
(東急電鉄池上線 石川台駅 徒歩5分)で開催 
※会場の詳細は講義の際お知らせします。

持ち物、その他注意事項
受講料とは別途、教材費(第3回目の食材)として初日に各自2000円を集めます。第5回の自主制作に必要な食材は各自ご持参ください。
補講について
欠席した場合、来期の講義開催時に同じ回を受講することが可能です。 ただし、初回講義案内時にお知らせするメーリングリストにて、欠席のご連絡を予めいただいていた方に限り、1回のみ振替を受付ます。
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おいしい盛り付け学【オンライン】

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