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これからの社会をつくるための哲学

新講義

これからの社会をつくるための哲学

公共哲学から考えるもっと自由な世界

BREAKTHROUGH & FREEDOM-circleBREAKTHROUGH & FREEDOM
これからの社会をつくるための哲学

講義について

自分のことは、自分で決めていい。ーーでも、みんながそうしたら社会はめちゃくちゃにならない?

隣の家に住んでいる人、近所のコンビニの店員。関係ないから関わらなくてもいいーーでも本当に自分と関係ないと言えるのでしょうか?

宗教的な事情であれば、何かを食べなかったり休日を取ったりしてもいいーーでも、なぜ個人の趣味でそうすることは許されない時があるのでしょうか?

1人の命よりも、5人の命の方が重いーーでも、1人の健康な人から、すべての臓器を取り出して、5人の病人を助けてもいいということになるでしょうか?

政治や社会に関係するこうした問題は、考えるのがめんどくさく、とても難しい問題です。

 

考えずにはいられない社会、政治、自分のこと

「公共的な空間とは、人々が、自分が誰(who)であるかをリアルで、しかも交換できないような仕方で示すことのできる、唯一の場所だった―――。」

政治哲学者として著名なハンナ・アレントの言葉です(アレント『人間の条件』65頁)。アレントは、“公的な空間”を「人々がお互いを明らかにしあうような生き生きとした空間」として描き出しました。

「社会や政治、地域といった“公共的なもの”に関わったり考えたりすることは大切だ」となんとなく思いつつも、自分が社会で生きているという当事者意識をそんなに持てない。そんな人は多いでしょう。関わらなくても、考えなくても、当たり前に過ぎ去っていく政治や社会の問題。ただただ押し寄せてくる外の世界に対して、私たちはつい無関心になりがちです。

公共性、社会、政治。当たり前のように使われているこれらの言葉の意味。実は、誰もよくわかっていません。

でも、社会で生きている以上、この社会の問題、自分の問題、そして大切な人の問題は、自分で考えたいと思いませんか?この講義で、ちょっと人とは話しにくいけど、公共的で重要な問題を改めて問い直してみませんか?

 

対話をしながら“公共性”について考えませんか?

「社会に関わる」「政治参加」というと、討論をしたり、選挙に行ったり、デモを行ったりするというイメージがあるかもしれません。しかしこの講義では、「政治」や「社会」の本来の意味に立ち返り、「他者と共に生きている」「自分とは違う人がいる」「人と人とが関わりあう」という出発点から始めます。

この講義の中心は「みんなで考えること」「みんなで哲学すること」です。つまり「対話すること」です。「対話」にはすでに「公共性」が生まれているからです。他者とともに、これからの社会をつくるための公共性の根源的な部分を考えることが講義の目的です。なので、具体的な政治制度、選挙や政治家の話はしません。

講義では、公共性を考える上で役立つ哲学理論の簡単な解説も行う予定です。講義の前半20~30分ほどで、関連する哲学の知識や議論に簡単に触れます。その後、その知識をもとに、対話を通じてみなさんの思考を深めていく「哲学対話」を行います。哲学対話とは、参加者のみんなが自分の考えを自由に発言する場です。事前に哲学の知識は全く必要ありません。

知識よりも、自分たちで考えていくことによって、皆で暫定的な答えをつくりあげていくような講義にしたいと思っています。「社会」って?「政治」って?そんなに難しく捉えず、他者とうまく付き合っていくには、どんな事から考えたらいいのだろう?

――そういうところから、一緒に哲学、そして対話をしませんか。

(第1期募集開始:2018年4月16日)

こんな方が対象です

・哲学・倫理学に関心がある人、政治哲学・公共哲学に関心がある人

 

・社会や政治について考えたいけど、考え方がわからない人

 

・社会とか政治ってそもそも何なのか、自分とどう関係あるのかを考えたい人

 

・知識やデータ、統計よりも哲学的な思考や考え方、哲学対話を体験したい人

 

この講義をうけてどうなる?

・既存の政治的な考え方にとらわれずに、考えていくことができる

 

・自分の身の周りから、よりよいコミュニティーづくりができる


・社会と自分の繋がりを再発見できる

 

・近所の人とすれ違ったとき、温かい気持ちになれる


講義計画

第1回

正しさってなに?

はじめに自己紹介、この講義の簡単な説明、哲学対話についての説明を行ないます。そして第一回は「正しさとは何か」という問いを考えます。私たちが他者と付き合っていくとき、「私の正しさ」だけではなくて、「公的な正しさ」が問題になるからです。その問を考えるための三つの倫理学説について簡単に学び、みんなで哲学対話をします。

第2回

公共性ってなに?

「公的な(パブリック)」「私的な(プライベート)」と言うけど、どこからが公的で、どこからが私的なのでしょうか。「プライベートなことで恐縮ですが…」と言うけど、なんのために言うのでしょう。私たちが、社会とか政治という言葉で語られるものに入っていく前段階のところ「そもそも公共性とは何か」を考え、対話します。

第3回

公平・平等ってなに?

「すべての人に平等・公平であることは重要だ」「すべての個性は平等に尊重されるべき」「再分配は正義だ」という言葉をよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか。例えば貧困をなくすために、それぞれの人が異なっていることを考えず「公平」に月10万円を与えることは「平等」でしょうか。平等について、ポイントになる哲学者をおさえつつ、対話します。

第4回

コミュニティってなに?

私たちはみんな、コミュニティに属し、そこから影響を受けています。私たちはコミュニティと、どのような関係や距離をとっていればよいのでしょうか。コミュニティに、「何を愛するか」「何を評価するか」といった生き方の部分まで規定されることは、よくないことでしょうか?従いたくない時は?抜け出してしまいたいときは?そもそも、コミュニティって必要なの?という問いを巡り、対話をしたいと思います。

第5回

コミュニケーションってなに?

最後のテーマはコミュニケーション。公共性や平等についていくら考えても、他者との関係なしにこの社会は成り立ちません。私たちの社会はコミュニケーションに支えられているのです。とはいえ「コミュニケーション」という現象に含まれている意味は、実はかなり多義的です。私たちは、他者とうまくコミュニケーションできているでしょうか?そもそも「いいコミュニケーション」って何でしょう?どういう状況で行われるべきなのでしょうか?

堀越耀介

キュレーター

堀越耀介

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田代伶奈

キュレーター

田代伶奈

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スケジュール

講義名
これからの社会をつくるための哲学
日程

第1回:6月16日(土)11:00-12:30

第2回:6月23日(土)11:00-12:30

第3回:6月30日(土)11:00-12:30

第4回:7月14日(土)11:00-12:30

第5回:7月21日(土)11:00-12:30

定員
14名 ※定員になり次第締切
申込締切日
6月10日(日)
授業料
28,000円(税別)
キャンパス

表参道 COMMUNE2ndメインキャンパス