講義情報

魅力を引き出すインタビュー学

新講義

魅力を引き出すインタビュー学

誰かのストーリーで世界の面白さに気づく

創り伝える学部-circle創り伝える学部
魅力を引き出すインタビュー学

講義について

他者の語りに耳を傾け、変わりゆく社会に自らをひらく

いま多くの人々が閉じこもり、いたるところで停滞や分断が進んでいます。もしオープンに聞く耳を持つことができれば、新しい視点を得て、先へ進むことができる。ひとりでは絶対に見つけられなかった景色にだって、たどり着けることでしょう。

触媒となり、人と人をつなぐ架け橋となる。よい聞き手が増えれば、世界はもっとなめらかで、カラフルな発見に満ち、面白くなります。さあ、いっしょに聞く技術を身につけ、社会を豊かにする一歩を踏み出しましょう。

インタビューと一言に言っても、メディアが取材のために専門家へ話を聞いたり、企業が顧客のニーズをヒアリングするなど情報収集目的のものから、面接など評価の場で用いられるものまでさまざまです。

この講義では「取材相手の魅力を引き出す」インタビューにフォーカスし、質問を通して取材相手の魅力を聞き出す方法を学びます。取材相手自身も気づいていない魅力を引き出し、世の中に伝えることだってできるのです。

コミュニケーション下手でもインタビューはできる

インタビュアーやライターなどの仕事についていなくても、「聞く」ことのニーズは高まっています。質問を通して情報を引き出したり、相手を理解する場面はたくさんあるからです。

しかし、「人見知りだから」「親しくない人と話が続かない」など、インタビューに苦手意識を持つ人は少なくないようです。ただ、インタビューはフリートークではありませんし、いきなり「はじめまして」で話すわけでもありません。充分な事前準備・予習の時間があります。基本の型を身につければ、不安なく相手と向き合えるようになるのです。

話し下手ほど「取材相手の気持ちがわかる」強みがあります。インタビューは受ける側も緊張しています。相手の心を開き、話しやすい状態をつくるための振る舞いを考える際に、「話しにくい」「居心地が悪い」と感じた経験が役にたつはずです。

 

深く知ろうと耳を傾ける、心情を想像しながら一緒に言葉を探していく

 

「この人の話を聞きたい」が何より重要

基本の型やテクニックは、インタビュアーに必要な武器の一つにすぎません。インタビュアーにもっとも大切なのは「相手を知りたい気持ち」です。さらに、「この人の魅力をたくさんの人に知ってもらいたい」という思いが原動力になります。

そのためにはより多くの人にインタビューをして、失敗と反省を繰り返しながらアウトプットをすることが不可欠です。相手のことをどこまでも考え続け、もっと深く知ろうと耳を傾ける。想いをじっくり聞いて、心情を想像しながら一緒に言葉を探していきます。

インタビューをしたことがない方にとって、この講義は実践の場になります。インタビュー経験がある方にとっても、「人の魅力を引き出す」ことを軸に、自分のスキル・アウトプットを見つめ直す機会になるはずです。

今回、最終講義までに実際にインタビューをおこなっていただきます。実践を通した気づきは何物にも変え難い学びになるでしょう。

 

対話することで、ひとりでは見つけられなかった発見に出会える

 

キュレーターむらかみみさとさんからのメッセージ

大学生だった18歳の頃から、細々とインタビューを続けて20年ほどになります。これまで100人以上に話を聞いてきましたが、いまだに「いいインタビュー」の正解はわかりません。はじまる前も、記事ができあがった後も毎回不安です。

でも、インタビュー記事が公開されることで、「友人が久しぶりに連絡をくれました」「お客様がきてくれました」といった声を聞くと、こんなに素敵な仕事はないと思います。そのたびに「もっといいインタビューができるようになりたい」と感じるのです。

また、インタビューは、相手を通して自分の知らない世界を知ることができるワクワクする仕事でもあります。

一方で、インタビューを学ぶ場というのは多くありません。インタビューテクニック、プロとして食べていく方法、企画やアポ取りなどの手段……。さまざまな切り口はありますが、この講義は「人の魅力を引き出す」ことにフォーカスします。「この人の魅力を伝えたい」と思うことが、いいインタビューになる第一条件。そのためにどんな準備をすればいいか、ユニークなポイントの見つけ方、魅力を引き出す質問の仕方などを実践を通して学んでいきます。

インタビューは芸能人やスポーツ選手、経営者など、有名人相手におこなうだけではありません。私がこれまで話を聞いてきたほとんどの方は、いわゆる市井の人々です。会社員、小さなお店を営む人、仕事をしていない人や子どもも、語るべき物語を持っています。インタビューは「この人の話を聞きたい」「考えや存在を知って欲しい」と思えば、誰だって対象になるのです。講義を通してインタビューの魅力、楽しさを感じてもらえたら嬉しいです。

(第1期募集開始 2024年7月23日)

問いかけひとつで相手が変わる「魅力を引き出すインタビュー学」説明会トーク

こんな方におすすめです

・自分の質問力・対話スキルに満足できていない人

・相手から魅力的なエピソードを引き出す力をつけたい人

・インタビュー(対談)コンテンツをつくりたい人

・自分のメディアやZINEを立ち上げたい人

・魅力を伝えたい誰かがいる人

 

※インタビュー経験のない方も歓迎です

 


講義計画

第1回

「よいインタビュー」とは何か

初回講義では、レクチャーと実践を行き来しながら「よいインタビュー」とは何かを体感・言語化し、自分のインタビューの型をつくるヒントをみつけます。

■レクチャー:インタビューの基本
インタビューをするにあたって押さえておきたい知識や基本の流れを学びます。
■レクチャー:「三方よし」のインタビューに必要な要素
聞き手(自分)、取材相手、受け取り手すべてに有益であるのが「三方よし」のインタビュー。企画を立てる時に意識しておきたいポイントをレクチャーします。
■体験:ペアインタビュー
ロールプレイング形式でインタビューを実践。インタビューを受ける側の気持ちを体験することで得られる気づきがあります。

第2回

「人の魅力」とは何か

誰かのことを魅力的だと感じる理由は、肩書きや経歴、成功談だけではありません。むしろ失敗や挫折、葛藤など積極的に語りにくいエピソードにこそ、心を動かされることは多くあります。

■ディスカッション:人の魅力を感じる要素とは?
魅力となる要素は多様です。自分の考える「魅力」は、読者や社会にとっても魅力として捉えられるのか、客観的な目線、相場観を養うことは重要です。誰かのことを「魅力的だ」と感じた体験を出し合い、魅力についてイメージを膨らませます。
■レクチャー:読者に響くストーリーの作り方
その人にしか語れない、人柄や価値観の表れるストーリーだから情報の受け取り手(読者、視聴者)に響きます。インタビュー事例をもとに、取材相手のどのような魅力を、どういった表現で伝えているか紹介します。
■レクチャー:インタビュー企画の立て方
インタビューの第一歩は企画作り。取材依頼の際にも企画書は不可欠です。自分が知りたいこと、取材相手が話したいこと、読者が知りたいことを整理し、企画に落とし込む方法を学びます。

第3回

「よい質問」とは何か

インタビューは質問を通し、相手を知る方法です。しかし闇雲に質問を投げ掛ければいいわけではありません。相手を立体的に浮かび上がらせる問いを幾重にも重ねていく必要があります。これまで2,000人以上にインタビューをおこなってきたフリーライターの木内アキさんをゲスト教授に招き、「取材相手の魅力を掘り下げる質問」について学びます。

■レクチャー:「情報の把握」と「目的の設定」
取材相手について情報収集し、それを材料として、インタビューを通して何を伝えたいか、目的に基づいた仮説を立てて、具体的な質問に落とし込みます。
■レクチャー:問いの質を上げる
相手のことをもっと知りたいと思う好奇心が質を高めます。取材相手に好奇心を持ったポイントを具体化し、質問に反映していきましょう。

第4回

コミュニケーションの技術

ゲスト: 木内 アキさん(執筆者 / ヨソモノ ブックス )

第3回で学んだ内容を実践。事前準備やイメージトレーニングは重要ですが、相手の回答や場の雰囲気に応じて臨機応変な対応は不可欠です。インタビューでの問いかけ方、話の進め方など、本番を意識したコミュニケーションについて理解を深めます。

■デモンストレーション:本音で話したくなる雰囲気作りの技術
取材相手に安心感を与え、本音を引き出すコミュニケーションを体験。
■レクチャー:インタビューの罠と対策
自分の想像や先入観に囚われ、掘り下げるべきエピソードや思わぬ一言を聞き漏らしてしまった。準備した結論に誘導したことで、予定調和に終わってしまったなど、インタビューの現場で陥りがちな失敗と対策を考えましょう。
■体験:ロールプレイング
学んだことをさっそく実践。建前や予定調和な回答を超え、その人「らしさ」をつかまえ、膨らませる質問術を使ってみましょう。

第5回

インタビューをまとめる

第5回の講義までに、「自分が話を聞きたい人」にインタビューしてみましょう。まとめ方は、文章でも音声でも絵でも自由です。インタビューと「伝える」の経験を共有します。

■課題発表
記事形式でまとめるのを推奨するが、難しい場合は箇条書きやレポート形式でもOK
インタビューした内容をアウトプットすることで聞けた・聞けていないの理解が深まる
インタビューライターを目指さなくても、内容をまとめる機会は多いため、非ライターもトライしましょう。
■ディスカッション:実践による学びの共有
やってみたからこそわかる、「発見」「困った」「学び」を共有しましょう。
■レクチャー:「自分フィルター」の磨き方
インタビューで知ったエピソードに、自分の伝えたい想いや感情を掛け合わせることで唯一無二の価値が生まれ、読者の心を揺らす力になります。そのためには情報を取捨選択する「自分のフィルター」を持つことが必要です。

 

むらかみみさと

キュレーター

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ORDINARY

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ゲスト

木内 アキ

フリーランスライター / ヨソモノ ブックス代表

木内 アキ

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スケジュール

講義名
魅力を引き出すインタビュー学
日程

第1回:8月29日(木)19:00-21:00

第2回:9月5日(木) 19:00-21:00

第3回:9月19日(木)19:00-21:00

第4回:9月26日(木)19:00-21:00

第5回:10月3日(木)19:00-21:00

定員
12名 ※定員になり次第締切
申込締切日
8月28日(水)
授業料
28,000円(税抜)30,800円(税込)
キャンパス

永田町みどり荘キャンパス(MIDORI.so NAGATACHO5階)

【住所】
東京都千代田区平河町2-5-3 MIDORI.so NAGATACHO 5F

【アクセス】
半蔵門線・南北線・有楽町線 「永田町駅」
4番、9番b出口より徒歩2分

持ち物
筆記用具
講義時間について
講義の進行状況により多少延長する可能性があります。余裕を持ってのご参加をお勧めします。
補講について
次期振替 次の期の同じ回を受講することが可能。補講振替は1回のみ。

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