食べられる虫をつかまえよう【フィールドワーク@多摩川】
多摩川でバッタを採集、加熱調理して実際に食べてみよう。メンバー同士のコミュニケーションも兼ねてフィールドワークからスタート。まずは、身近にいる昆虫を採集しよう。昆虫の習性を理解すればつかまえやすくなる。体験しながら採集するときのコツを学びます。自然を感じながら、自らの体を使ってつかまえた虫の味は格別。みんなで採れたての秋の味覚を楽しみましょう。
新講義
地球を救う未来のスーパーフードを学ぼう
この講義は、昆虫食の第一人者から、「昆虫食マイスター」になるためのひと通りの知識と技術を習得する実践講義です。
①食べられる虫を見分け、採集する
②美味しく料理する
③昆虫食を理解し語れる
基礎として、この3つの力を身につけることを目指します。
なぜいま、昆虫を食べるのか? サスティナブルなネクストフード
「虫を食べるなんて、ちょっと…」
抵抗のある人もまだまだ多いですが、実は地球環境にやさしく、生産効率に優れた未来の食材として、昆虫が注目されています。
わたしたち人類は、難問に直面しています。
・世界的な人口増による食料危機
・地球の気候変動問題
昆虫食がこれらを解決するとして、国連食糧農業機関(FAO)でも推奨されているのはご存知でしょうか?
持続可能な開発目標「SDGs」のゴール2(飢餓をゼロに)、ゴール13(気候変動)、ゴール15(陸の豊かさ)に当てはまる、未来を救うキーとなるネクストフードなのです。もちろん、昆虫食についてはまだまだ研究の余地があり、たったひとつの単純な解決法ではありませんが、糸口になることは確かです。
美味だからこそ食文化に取り入れる
いくら「地球環境のため」とはいえ、グルメなわたしたちは美味しくないものを積極的に食べたいとは思えませんよね。
しかし、これがなんと美味しいのです。
「世界のベストレストラン50」で、1位を獲得した「ノーマ Noma」。この美食レストランが〈コオロギスープ〉を提供し話題になりました。
昆虫がどんな味かと聞かれれば、「コオロギやバッタはエビの味」「カミキリムシの幼虫はマグロのトロ」「ハチの子はウナギ」「セミの幼虫はアスパラガス」に似ていると答える人が多いでしょうか。食味センサーで比べても、近い数値が出ています。
教授をつとめる内山昭一さんは、食材として昆虫を採って、調理して、食べること二十年、昆虫食の第一人者。内山さんは、昆虫食が盛んな長野県で生まれ、幼少時よりイナゴやハチの子を食べて育ちました。上京して、久しぶりに採って素揚げして食べたトノサマバッタの美味しさに感動して、昆虫食に病みつきになったと言います。
おススメは、サクっとして甘いもの。素揚げしたイナゴを溶かしたチョコにくぐらせた「イナゴのチョコフォンデュ」、粉にして混ぜた「イナゴのビスコッティ」は食べやすいです。
ウナギの代わりに、駆除したハチの子を使った「ハチの子のうまき風」は、普段の食卓にあっていいと思います。
高たんぱくで栄養価も高い。世界が注目する最先端食材
昆虫は美味しいだけでありません。種類によって違いはあるものの、昆虫は高たんぱく質で不飽和脂肪酸が多く、必須アミノ酸や鉄分などのミネラル・ビタミンも豊富に含んでいます。100g当たりのたんぱく質・ビタミン・ミネラル含有量は、なんと肉や魚よりも高い。
そのポテンシャルの高さから、いま欧米では昆虫食にビジネスとしての成長性を見いだし、多くの起業家が続々とスタートアップに挑戦しています。昆虫入りのスナック菓子やプロテインバー・粉末・野菜ペーストなどが商品化され、日本でも店頭に並び始めています。
未知の食材は不安だけど… レシピの工夫で自由自在
子供の頃には身近でも、大人になると、苦手意識が出てしまう人が多いのが昆虫です。
しかし、よくよく考えてみれば、昆虫は人類が狩猟や稲作を始める前の古代から食べ続けてきた「究極の伝統食」。現代の日本でも、イナゴの佃煮やハチの子、ザザムシなどが地域によってはよく食べられているし、世界では1900種以上の昆虫が食用として扱われ、少なくとも20億人の食生活の一部になっている、実はメジャーな食べ物なのです。
ビジュアル的にこわい、苦手な場合は、姿がわからないように加工すればいいですし、種類によっては独特な味がする昆虫がありますが、 それをうまく活かしたり、癖を消したり。レシピ次第で自由自在です。
さあ、昆虫食ライフを始めよう
今回は初級編、初めて昆虫食を学ぶ人向けとなりますが、これを学べばさまざま場面で活用できるでしょう。
・小さな社会貢献活動として
・日々の食卓のレパートリーに
・飲食ビジネスに
・お子さんの食育、自然教育に
・アウトドアで活用
・災害時、遭難時の貴重なタンパク源に…
などなど、あなたの暮らしがアップデートされるはず。
実は見えていないだけで、わたしたちの身の回りには食べ物がたくさんあります。いまスーパーに並んでいる商品だけがすべてではありません。虫だって野草だって川の生き物だって、見渡せば食べられるものは溢れているのです。
せっかく生まれてきたのだから、「食べれるモノは全部たべてみたい」。
いつの時代も、好奇心旺盛な冒険者が、世界を前進させてきたのです。思い込みの枠を取っぱらい、人生も食わず嫌いをせず、なんでも挑戦してみようではありませんか。「昆虫食マイスター」の修了証書もつきますよ。
<昆虫食を知るために>
内山教授のインタビュー
昆虫料理研究家が語る、昆虫先進国の日本で「昆虫食」が廃れた理由
「ほとんどの昆虫はおいしいと、みんなに知ってほしい」
昆虫食は地球を救う?
(第1期募集開始 2019年 9月 9日)
第1回
多摩川でバッタを採集、加熱調理して実際に食べてみよう。メンバー同士のコミュニケーションも兼ねてフィールドワークからスタート。まずは、身近にいる昆虫を採集しよう。昆虫の習性を理解すればつかまえやすくなる。体験しながら採集するときのコツを学びます。自然を感じながら、自らの体を使ってつかまえた虫の味は格別。みんなで採れたての秋の味覚を楽しみましょう。
第2回
昆虫食の基礎を体系的に学びます
・世界と日本の食文化から見る昆虫食の歴史
・タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など昆虫の栄養価
・どんな虫が食べられて、それぞれどんな味なのか?
・5種類以上の昆虫を食べ比べ、好みの昆虫の味を見つけよう
第3回
最近の昆虫食の新しい動きを学びます
・2013年、国連食糧農業機関(FAO)が「食用昆虫――食料と飼料の安全保障に向けて将来の展望」というレポートを発表。持続可能な食料として注目されるきっかけとなる
・食料不足、温暖化、森林減少などSDGsの取り組みとしての昆虫食
・世界と日本の昆虫食の動向を紹介し、昆虫食ビジネスの可能性をみんなで探る
第4回
ビギナーでも手軽に始められる、昆虫料理を実践します。『むしくいノート びっくり! たのしい! おいしい! 昆虫食のせかい』を出版、TVや漫画へのレシピ提供や監修を務める虫食いライター「ムシモアゼルギリコ」さんをゲストに迎えます。おうちで作れる、ホームパーティで盛り上がる、栄養満点で見た目もキャッチーなBUGスイーツを作ってみましょう。
第5回
お客様に喜ばれる、多くの人を引き寄せる「看板昆虫メニュー」とは? 2016年から昆虫料理に取り組んできた飲食店「米とサーカス」のメニュー開発・調理担当の籾山さんをゲストに迎えます。最終回は今までの総集編。今まで学んだ昆虫食の知識を試験し、合格者には「昆虫マスター初級」の修了証書をお渡しします。