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Freedom Univ. Ways 2012 けもの道をゆく

自由大学クリエイティブチーム座談会2012

けもの道を行く2012

クリエイティブチームのメンバーは普段どんな気持ちで自由大学をつくっているのか?そもそも自由大学に関わったきっかけやこれからの自由大学が向かう道も含めて、運営メンバーの6名で語り合いました。(2012年自由大学祭のzineに掲載した内容です)

高橋:みんなは普段自由大学をどういう気持ちでつくっているのか?というところをあらためて聞いてみたいんだけど。

和泉:私は面白いからやっているんですよね。なんか、みんながここで自由になっていくから、その空気感がすごく面白いし、自由大学をつくることで自分たちがいちばん学んじゃったりして、その体験や経験が蓄積されていく。他では絶対に経験できないことが毎日ここで巻き起こっているのが面白いですね。あと、たとえば許せないことが社会にあったとして、そういうことも「自分はこう思う」というものをちゃんとつくって、みんなと反射させながら形にしていくことができるから、そこが私はすごく面白いですね。

高橋:確かに自由大学ってそういうところがあるよね。

和泉:ちひろさんは、2社目の会社を辞めたとき、他の会社に転職してもよかったのに、お金も将来の保証も何もない状態でこの自由大学の道を選んだのはどうしてだったの?

小酒:会社を辞める前に、「日本酒学」と「自分軸をつくる占い」のキュレーターをやって様子を伺ってたんです。それで、自由大学の空気感とか、黒崎さんや里佳さんとかどういう人がいるのかわかっていて、いけると思った。ここにいることに無理しているところがないなって。

高橋:それは、ストレスがないってこと?

小酒:それもあるけど、私は無理して方向転換するのは苦手で。人から見たら今までと違う道を選んでるように見えたかもしれないけど、自分の中ではこっちに行くのが自然の流れのように思えた。そうしたら結果として、自分のためにならない、不毛なストレスはなくなりました。前向きなストレスというか、この壁を超えなきゃならない、みたいなのはありますけど理不尽なことはない。与えられた仕事などないし、自分が「この人とやりたい!」と思って講義をつくっていくのは、すごく楽しいなと思いますね。

高橋:この前も「自由大学が衝撃的だったのは『好きな人たちとだけ仕事したいよね』と平気で言っていることですよね」って話していたのね。ほとんどの会社の仕事ってそういうことが不可能だったから、自由大学の環境に衝撃を受けたんだよ。

和泉好きっていうか、リスペクトできるってことだよね。これは実験なんです。たぶん私たちの世代が今まで働いてきたなかで感じていた違和感に対して、そっちじゃない方向性で行けるのか?という実験。もし私たちにそれが出来たら、ひとつの例として見てもらってみんなの希望になればいいよね。

白井:自分がいちばん面白いと思っているのは、いろんな人に会えるということ。自分の場合は、30歳を過ぎてから東京に出てきて、知り合いが少ない状態だったから、知り合いを増やしたいなと思ったのがいちばん最初のきっかけで、スクーリング・パッドに通ったんです。最初は、講義をつくりたいというよりも、いろんな人が集まる場所をつくりたいというのが大きかったですね。でも、こうやっていろんな人と会うたびに、自分のなかでこうだろうと思っていた基準が崩れていく。想定外の人がいっぱい出てきて、そのたびに基準を更新していくことの繰り返しですね

和泉:今まで出会ったなかでいちばん想定外は誰でしたか?

白井:里佳さんかな(笑)。

高橋:えっ、黒崎さんって言うのかと思っていた(笑)!

岡島:私は最初、地方でカフェをやっていたんだけど、地元にうまく馴染めない自分がいた。自分のやりたいことをもっと人にうまく伝える方法があるんじゃないか?とか、自分の持っている感覚を捨てずにこのまま突っ走ってもいいのか?というジレンマが常にあって悩んでいたときに、いろいろWEBで調べまくったら、自由大学の「地域とつながる仕事」を見つけたのね。もともと黒崎さんのファンというか、IDEEや黒崎さんがやっていたイベントとかにも行っていたから、この人の言うことであれば間違いないだろうと思って、それを受けたのが始まりですね。実際に受けてみたら、講義の自由度にビックリした。

高橋:これってやっぱり多くの人がビックリするんだろうね。

岡島:そうそう、「こんなに自由でいいんだ!」って。

水澤:僕の場合、前のデザイン会社のとき、激務だったけれど前向きに楽しめていて、意外と環境は良かったんです。でも、求人をするようになって人数が増えてくると、条件で仕事をする人も増えてきた。結局、そういうことも原因で会社は解散となって、そのタイミングで自由大学に来たんだけど、みんなが言っているように、自由大学の雰囲気や環境は馴染みやすかったし、いい場所だなという感覚はあったかな。あとは、今こうやって自由にやれる環境があるわけだから、これから何ができるかチャレンジみたいなところはありますね。

高橋:水澤くんは今まさに自由大学祭の準備のため大忙しで大変だとは思うけど、自由大学そのものには心地よく関わることができている感じなのかな?

水澤:確かにZINEのデザインや映像など、この短期間でものすごい作業量を詰め込んでいるけれど、ストレスなく自由にできるし、楽しめていますね。「面倒だな」という考えにならない良い雰囲気がここにはあると思う。

高橋:こうやって話を聞いていると、みんなそれぞれ、自由大学に出会ったきっかけや時期やタイミングは違っても、共通点はいろいろあるよね。しかもさっき話したように、これって実験だからさ、この先もそのままシステマチックに動いていくわけでもないでしょう?

和泉:そうなっちゃうと、実験的にはつまらないですからね。安定しそうなると、また次のチャレンジを何か始めてしまうタイプです。

岡島:だって、ひとつの講義をつくっても、これが普通の企業だったらそれをもとにだんだん拡大していくじゃん。でもそうする時間もないくらいのスピードで新しい講義をつくっているからね。あと、物事の価値をひとつの量だけで測っていないところがいいよね。会社にいるとやっぱり売上がどうの、とかも入ってきて、だから我慢して働かなくちゃいけないということになる。

和泉:そこがやっぱり自由大学のキュレーションで、お金のことも考えなくはないけど、そこが一番じゃなくて、思想とか美意識とか確固たるものがあって、そこから来ているというのがいいですよね。

高橋:じゃあ、これからもこの実験はどんどん面白くなっていきそうだね。

和泉:そう、実験って楽しいじゃない?

岡島:だから私たちって、「けもの道」を行っている感じなんだよ、たぶん(笑)。

クリエイティブチームメンバープロフィール

いかがでしたか?クリエイティブチームのメンバーが普段どんなことを考えているのか少し伝わったら嬉しいです。これに続く2013年「続・けもの道を行く」は2014年1月1日にアップ予定です。お楽しみに!

 



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